高温超伝導体の超伝導の仕組みに関わる検証実験
タイトル:銅酸化物のアイソトープ効果は?
- 論 文:Nature 446, E5 (2007)
- 著 者:John F. Douglas, Hideaki Iwasawa, Zhe Sun, Alexei V. Fedorov, Motoyuki Ishikado, Tomohiko Saitoh, Hiroshi Eisaki, Hiroshi Bando, Takeshi Iwase, Akihiro Ino, Masashi Arita, Kenya Shimada, Hirofumi Namatame, Masaki Taniguchi, Takahiro Masui, Setsuko Tajima, Kazuhiro Fujita, Shin-ichi Uchida, Yoshihiro Aiura, Daniel S. Dessau.
- 機 関:ALS(米国放射光施設)、コロラド大学(米国)、東京大学、 産総研、広島大学、広島大学放射光科学研究センター、大阪大学
磁気かそれとも格子振動なのか?高温超伝導体が発見されたからの約20年間、実験および理論の研究者の精力的な研究が続けられてきた。この問いの回答はまだ出ていない。ALS、コロラド大学、東京大学、広島大学、大阪大学のチームは、紫外線〜真空紫外線域の大強度放射光を用いた角度分解光電子分光で格子振動を強力に支持する実験結果を得た。
重さの異なる酸素の同位体16O、18O で育成された試料を用いて、格子振動数の変化が超伝導体の電子にどのように影響するかを角度分解光電子分光で調べたところ、トンネル分光実験で得られた結果を同程度の影響を見いだすことに成功した。
本研究は、近年急速に分解能が向上した光電子分光実験により高温超伝導体のアイソトープ効果を直接検証しようとするものであり、世界初演の試みとなっている。