HiSORセミナー
蛍光XAFS法による電気化学反応下におけるモデル固液界面の活性種構造変化観測
日時 2024年12月12日 (木) 14:00~15:00
場所 広島大学放射光科学研究所 4階 大会議室
講師 朝倉 清高
(立命館大学総合科学技術研究機構SRセンター)
電気化学反応は固液界面あるいは固気液界面で起こる。液体は、高エネルギー(4 keV以上の)X線領域でも吸収が大きいため、平坦なモデル固体表面を用いた場合、液体共存下で、1monolayer程度の活性構造を見ることは難しい。電極材料である炭素のモデル系としてGraphite(0001)面をもつHOPG(Highly oriented pyrolytic graphite)がある。基本的にGraphiteであるため、平坦で薄い基板を作ることができ、HOPGの背面から入射させ、結晶分光器を用いることで、測定を妨害する弾性X線を除去し、1monolayer以下のPtナノ粒子のXAFSを観測できる。HOPG平坦基板上にPtナノ粒子やその合金粒子をAPD(Arc Plasma Deposition)法で調製し、その構造を調べると、Ptがナノ粒子表面を覆った微粒子がHOPG上に形成され、そのAu-AuやAu-Ptの結合距離が異常に短くなる現象をとらえたり、電気化学ポテンシャルによる構造変化やPtの表面の吸着種の変化も追跡できるようになった。実用触媒のオペランドXAFS解析と対比しつつ、今後の電気化学反応下のモデル固液界面のオペランド解析の可能性について議論したい。
問合せ先 島田賢也、出田真一郎(放射光科学研究所)