セミナー・シンポジウム

HiSORセミナー

次世代高輝度アト秒分光に向けた高強度Ybレーザー光の数サイクルパルス圧

日時 2025年4月11日 (金) 16:00 - 17:00
場所 広島大学放射光科学研究所 2階 セミナー室
講師 岡本 拓也
(NTT 物性科学基礎研究所)

Yb増幅器は100Wを超える高平均出力で動作可能であり、従来のチタンサファイア増幅器に代わる次世代アト秒ドライバ光源として注目を集めています。しかし、アト秒時間精度を有する単一アト秒パルスの発生には、パルス幅の数サイクル化と光の絶対位相(CEP)の固定が必要です。これはパルス幅が比較的長いYbレーザー光には厳しい技術要請であり、現在世界中で研究が激化しています。本セミナーでは、平均出力80W(繰返し周波数1MHz)のYb増幅器を用いて、固体媒質を用いたmultiple-plate continuum圧縮法により数サイクル化する方法と、高次高調波発生への応用を紹介します。さらに、現在取り組んでいるCEP固定化数サイクル光源や角度分解光電子分光への応用も紹介し、論文では触れられない現場ならではの実践的な課題や解決策について議論します。

問合せ先 黒田健太(先進理工系科学研究科)、出田真一郎(放射光科学研究所)