HiSORセミナー
スパース位相復元を用いた分子軌道トモグラフィー
日時 2024年11月19日 (火) 10:30~11:30
場所 広島大学放射光科学研究所 2階 セミナー室
講師 三村 和史
(広島市立大学大学院情報科学研究科知能工学専攻)
角度分解光電子分光法に基づく光電子運動量マップからの光電子軌道トモグラフィーにより、吸着状態の分子軌道の形状とエネルギーの解析が可能となっている。ここでは、スパース推定手法のひとつであるPhaseLiftを用いた新しい光電子軌道トモグラフィーを提案する。原子位置と基底を提供することにより、位相を含む分子軌道を、単一の光電子運動量マップから同定することができる。提案手法はノイズに強く、吸着による分子変形を0.05Åの精度で識別することができるなど、分子の3次元形状と分子軌道の同時解析が可能になった[1]。
[1] K. Niki, R. Asano, R. Sakanoue, A. Hasegawa, Y. Yamada, M. Hagiwara, and K. Mimura, Journal of Physical Chemistry A, vol. 128, no. 13, pp.2672-2679 (2024)., K. Niki et al., arXiv 2307.12500 (2024).
問合せ先 出田 真一郎、佐藤 仁(放射光科学研究所)